ケイオス・バンコク 1

By: Barbara Willi - CC BY 2.0

突然ひょんなことからバンコク出張が2週間前に決まった。果たしてこの出張に意味はあるのだろうかと、その時は自分でも何だか会社に対して申し訳ないような気がしていたが、結果的にその心配は無駄に終わった。ボクはバンコクで大きく人間として成長したように思う。世界は広い、そして自身に残された伸びしろのようなものを身体を通して感じた。

マニラの空港は、ラップで包まれたスーツケースが目立った。普通の感覚からするとスーツケースをラップで巻くだなんて正気の沙汰ではない。しかし、正気の沙汰ではない空港職員による銃弾混入恐喝事件が横行している昨今、みんな自分たちで防衛するしかない。サランラップメーカーにとっては特需だ。フィリピン人は変なところで商魂たくましいので、もしかすると空港でラップを巻くサービスを始めるやつが出てくるかもしれない。白タクよりもある意味健全だ。
ボクも他の空港利用者と同じように、というよりはそれ以上に神経質になっていた。前日まであれこれ色々な人にアドバイスを求め、究極的には銃弾を混入する隙間を与えないことが最善であるという結論に達した。財布ですら代わりにカードケースを使うようアドバイスを受けたが、結局は普段通り、使い慣れたpatagoniaのバックパック一つで臨んだ。それはクリスマスを前に空港での盗難が増加し、最悪の場合はスーツケースの鍵を壊して中から貴重品を盗んだり、スーツケースをロストバゲージとして扱い、スーツケースごと盗むという手口を聞いたからだ。そして何より昔の上司の影響で、到着後にベルトコンベアの前で過ごす時間がもったいないと感じるようになったからだ。

ビクビクしながら、しかし同時に空港での不正義に苛々しながらも、全ては杞憂に終わり、無事に飛行機に搭乗できた。空いているからだろうか、いつもは横柄に感じるキャビンアテンダントのサービスがいやによく感じる。そしてそれは実際によかった。例えば、離陸前に積極的に空いている広い席をすすめてくれたりした。フィリピンなのに。

3時間ちょっとのフライトを終え、タイへと降り立った。実はタイはこれが初めてだった。フィリピンよりも白人と中国人の多さが目立つ。そして日本人も。日本人は、みんな戦士のように覇気に満ちていた。きちんと第一線で仕事をしていることが容易に伺える。偏った、そしてすごく限られた情報だが、きっとタイが日系企業にとってビジネスがしやすい国だと想像がついた。そして実際にそれはそうらしい。

ATMを探し、SIMカードを購入した。MicroAdに転職してフィリピンで勤務してからの初めての出張はベトナムだった。たしか6月だったと思うが、その年の2月だかに国際ローミングの定額制サービスが終了し、とんでもない費用を請求されたのを覚えている。それ以来ボクは海外に到着すると、必ずATMでお金をおろし、SIMカードを買うようにしている。今ではほぼ機械的にしている。

たぶん続く。

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